2019年12月9日月曜日

PISA読解力の低下

15歳高校生のPISA試験における「読解力」が、2012年の4位から2018年には15位に落ちたというのがニュースになっている。メディアでは順位のグラフが報道されたが、ここでは得点に着目してみた。諸外国の得点は比較的安定しているが、日本の得点は変動しており、これが順位変動の原因であることが分かる。つまり、諸外国の成績が上がったのではなく、日本の成績が落ちたことが分かる。

このグラフに、1か月に1冊も本を読まない中学生の割合(不読率)とスマホの普及率のグラフを重ねてみると次の通り。

中学生の不読率は2000年には50%弱だったが、2007年以降は15%まで減少した。その効果なのか、15歳高校生の「読解力」は2006年の15位から2012年には4位にまで改善されていたが、2015年8位、2018年15位と急落。それは前述のように得点の上下によって起きたものであった。

2012年といえばスマートフォンが普及し始めた時期。それに対する対策ができていないのではないだろうか。日本の子供たちは、諸外国にくらべて授業や宿題に情報機器を使う比率が低く、友人とのコミュニケーションやゲームに使う比率が高いといわれる。

ちなみに「脱ゆとり教育」による授業時間増加は2011年からという。子どもが忙しくなって、読書をする時間が無くなっていないかも気になる。

(参考) 文科省「OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント

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