2019年10月24日木曜日

高校生の読書活動の推進担当は?

高校生の不読率が高いというのが子どもの読書活動推進のうえでいちばん大きな課題となっているが、「丹波篠山市子どもの読書活動推進連絡会」には中学校長会代表と中学校図書館教育担当者代表が委員になっているが、高校に関しては高等学校図書館教育担当者代表だけで、高等学校長の代表は含まれていない(こうした状況はどの市においても同様である)。

そのせいか、「第2次丹波篠山市子どもの読書活動推進計画」の
第4章 第2次計画の具体的方策
 3 学校等における読書活動の推進
 (4)学校での読書活動推進の取組
の項目は全部で2ページあるが、高校についてはわずか1項目
・生徒に「図書室の利用案内」を配布するなど継続して利用促進を図っていきます。(継続)
と書かれているのみである。高校は県教委の配下にあるとはいえ、これでは効果が期待できそうもないと思うのである。

2019年10月11日金曜日

子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究

国立青少年教育振興機構サイトに表題の報告書が出ている。

高校生の不読率が高いといわれるがそれは読書が嫌いなわけではない。読書が好きな生徒の割合は中学生にくらべて大幅に少ないわけではない。


しかし、「とても好き」の割合は高校生になると明らかに減っているのである。
このグラフの説明として「就学前から中学時代までに『本を読んだこと』や『絵本を読んだこと』などの読書活動が多い高校生・中学生ほど、1 か月に読んだ本の冊数や 1 日の読書時間が多い。 」と書いてある。確かにそうだが、それは因果関係なのか、中学生まで読書好きだった子は高校生になっても本をよく読むということなのかはわからない。

こんなグラフもある。
読書も大切だが、体験活動はもっと大切ということか。ちなみに体験活動は次のような質問で測定している。
【参考】体験活動 に関する質問項目
[自然体験]
・海や川で貝を採ったり、魚を釣ったりしたこと
・太陽が昇るところや沈むところを見たこと
・夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと
[動植物とのかかわり]
・花を育てたこと
・蝶やトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと
・野鳥を見たり、鳴く声を聞いたこと
[友だちとの遊び]
・かくれんぼや缶けりをしたこと
・ままごとやヒーローごっこをしたこと
・弱い者いじめやケンカを注意したり、やめさせたこと
[地域活動]
・近所の小さい子どもと遊んであげたこと
・バスや電車で体の不自由な人やお年寄りに席をゆずったこと
・地域清掃に参加したこと
[家族行事]
・家族の誕生日を祝ったこと
・家族の病気の看病をしたこと
・家族で家の大掃除をしたこと
[家事手伝い]
・食器をそろえたり、片付けたりしたこと
・ゴミ袋を出したり、捨てたこと
・家の中の掃除や整頓を手伝ったこと
※各設問に対して、「何度もある」「少しある」「ほとんどない」を回答。

学校読書調査は誰が?

子どもの読書活動推進計画に引用されている不読率のデータは、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況について毎年調査を行っているものである。全国学校図書館協議会ウェブサイトに一部のデータ(不読率と平均読書冊数)が公開されている。
「学校読書調査」の結果

次のグラフは1か月間に1冊も本を読まなかった生徒児童の割合(不読率)。
2002年8月に「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が策定される前後から、中学生の不読率は大幅に改善されたことが分かる。2017年からは不気味な小学生不読率の増大がある。

2019年10月10日木曜日

ノーベル化学賞の吉野氏が影響を受けた「ロウソクの科学」

昨日、吉野彰氏がノーベル賞受賞会見で小学生の時に先生に勧められて影響を受けた本として「ロウソクの科学」を挙げたので、アマゾンでは売り切れになったという話である。

篠山市図書館では岩波文庫の本が 1冊あるが貸出できる状態にある。角川文庫版が1冊あるが、それは貸出中で 1件の予約が入っている。

西宮市図書館では岩波文庫版が 3冊あって 68件の予約が入り、3冊を発注したということだ。角川つばさ文庫版(児童書)は5冊あって93件の予約が入っている。西宮市の人口は篠山市の12倍であるが、貸出希望は人口比を上回る差がある。こうした素早さはどこから来るのだろうか。

何か読みたい本があったときに、図書館で借りられないか、まずネットで調べる習慣ができているのではないだろうか。

2019年10月9日水曜日

本の装備

図書館の本には背ラベルやバーコードが貼られたうえ透明なカバーが掛けられている。そのための加工を装備というらしい。図書館で装備をするのではなく、装備したうえで納入してもらっているようだ。

TRC部ログにその様子が書かれている。
志木ブックナリーに潜入!~後編
フィルムラッピングは機械化されているらしい。
新座ブックナリーってこんなところ④

2019年10月8日火曜日

文部科学大臣表彰を受賞した読書活動

文科省が「子ども読書の情報館」というウェブサイトを作っている。そのなかに文部科学大臣表彰を受賞された読書活動の事例を見るというページがあり、篠山市の関連では3件が表彰されている。
  • 平成24年度 優秀実践団体 篠山ストーリーテリングの会
  • 平成27年度 優秀実践図書館 篠山市立中央図書館
  • 平成28年度 優秀実践団体 公益財団法人兵庫丹波の森協会
 篠山ストーリーテリングの会の読み聞かせ
中央図書館のクリスマス会

平成15年度に、子どもと絵本を読む会「かたつむり」が表彰されておりました。言い訳になりますが、文部科学省のページで平成21年度以前は別の検索になっていたためにきづきませんでした。(2019/10/22追記)

2019年10月7日月曜日

子どもの読書離れ

2001年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定された。2002年8月に公表された「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」によれば、子どもの「読書離れ」について次の問題意識があったとされる。
平成13年5月に行われた調査によれば、児童生徒の1か月の平均読書冊数は、小学校で6.2冊、中学校で 2.1冊、高等学校で 1.1冊、1か月に1冊も本を読まなかった児童生徒の割合は、小学校で 10.5%、中学校で 43.7%、高等学校で 67.0%となっている。また、平成12年に行われた経済協力開発機構(OECD)生徒の学習到達度調査によれば 「趣味としての読書をしない」 と答えた生徒は、OECD平均では 31.7%であるが、日本では 55%となっており 「どうしても読まなければならないときしか、本は読まない」と答えた生徒は、OECD平均では 12.6%であるが、日本では 22%となっている。
文部科学省ではその後もほぼ5年ごとに計画を改定し、最近の計画は2018年4月に公表された 第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」である。そして1か月に1冊も本を読まなかった児童生徒の割合(不読率)は次のように推移してきたとされる。
小中学生については運動の成果か、改善がみられるが、高校生については改善の速度は必ずしも十分ではないようである。

2019年10月4日金曜日

館内OPAC

OPACというのは Online Public Access Catalog の略で利用者に供される蔵書目録のことである。中央図書館に4台、市民センターに1台の端末が置かれている。配本所にも置く計画であったが、財政難のため凍結されている。

館内OPACでは、ウェブOPACではできない3つのことができる。

一つは子どもの本だけを指定して検索すること。子ども用のひらかなの画面を使って検索すると子ども用の本だけがヒットする(一般用画面では子ども用の本を含めて検索され、子ども用の本を除く検索はできない)。たとえば中央図書館の館内OPACを使って「しぶさわ」を検索すると、子ども用画面なら11冊、一般用画面なら58冊がヒットする。この58冊には子ども用の本が含まれている。

ウェブOPACでは65冊がヒットすることから想像すると、中央図書館館内OPACの簡易検索では市民センター所蔵の7冊がヒットしないのかもしれない。実際、65冊中7冊は市民センター所蔵の本である。

二つ目は館内のどの書棚にその本があるかという案内。

三つ目は、貸し出されていない(書架や書庫にある)本の貸し出し予約。たとえば、市民センターで中央図書館の本を予約して市民センター(または配本所)に届けてもらうことができる。

ここまで書いて気づいたが、市民センターの館内OPACでは中央図書館の本は検索できるのだろうか。検索できないと予約もできないということになるので、今度行く機会があれば試してみよう。

市民センターで試してみたところ、デフォルトでは館内の蔵書のみが検索されて出てくるが、画面で「すべての図書館の資料」としておくと、中央図書館の資料も出てくるとわかった。もちろん予約もできる。(2019/11/3追記)