2020年2月20日木曜日

令和2年度「丹波篠山の教育」

「令和2年度の教育目標・事業内容を示したもの」として公表された。

市民センター図書コーナーと配本所に関しては次のようになっている。2019年度の配本所の貸出冊数は279冊だったから意欲的な目標となっているが、具体策がどうなるか注目したい。太字が昨年度からの変更点。
(3)市民センター図書コーナーと配本所の運営の充実継続

目的・目標
市民センター図書コーナーと配本所の継続的な運営を行います。また、地域に出向く出張図書館サービスも実施します。
成果指標
配本所の貸出冊数を400冊<昨年は300冊が成果指標だった>以上とすること。

①市民ボランティアの協力を得て、市民センター図書コーナーを運営します。
職員の従事時間を延長し、予約・リクエストの受付やレファレンスサービスの提供など図書館サービスの充実を図ります。<項目追加>
③子育て支援に関する資料を充実させ、特色ある市民センター図書コーナーづくりを進めます。
④図書館と市内6カ所の配本所(多紀支所、ハートピアセンター、城東公民館、西紀支所、西紀支所分室、今田支所)とのネットワークにより、図書館の利便性の向上をめざします。また、一部市役所職員による文書等逓送便を活用し、効率的な配送を行います。<追記>
⑤地域に出向き、図書の貸し出しや利用者登録など出張図書館サービスを行い、図書館利用のPR を行います。
⑥主に東部地区配本所(多紀支所、ハートピアセンター)の利用を活性化するため、出張図書館サービスを実施します。

2020年2月11日火曜日

配本所活性化イメージ

遠隔地住民のためには配本所を使いやすくすることが強く求められるが、筆者のイメージは「ネットからの在架予約を配本所での受け取りに限って認める」ということに尽きる。利用者が読みたい本を検索したあと、貸出中でなくても予約できて配本所で受け取れるようになれば、利用者が増えるのは確実である。

在架予約を認めると配本所の利用が増えるということは図書館でもわかっているのだが、増えすぎて対応できないのではないかということを心配して、一歩踏み出すことができていない。職員の労働時間が週30時間から35時間になって労働力に多少とも余裕ができる2020年度こそ、遠隔地住民の利用を増やす好機である。

以下考えられる問題点とそれに対する対策を述べる。
  1. 予約された図書を書架から集める労力がかかる ⇒⇒県内の大部分の公立図書館では在架予約に対応して頑張っている。丹波篠山市のような面積の広い市で在架予約できない市立図書館はない。配本所に送るものだけに限れば冊数は少なくなるので、増加する労働時間の一部を割けば対応できるのではないか。また、予約された資料が準備できたときの連絡は、ネット予約の場合はメールでのみとすることによって労力を節減できる(富田林市に例がある)。
  2. 配本所での受け取りの場合だけ在架予約できるようにシステムを変更できるか ⇒⇒刈谷市立図書館の例がある。
  3. 配本所への配達をする人がない ⇒⇒配送は週1回にして曜日を決めて配送することにしてはどうか。図書館ビジョンでは市の逓送便活用を検討することになっている。
  4. 公用車増備を予算要求しているが認めてもらえない ⇒⇒月曜日は図書館の休日で公用車は空いている。配本所は月曜日も開いているので月曜日に配送してはどうか。実績ができれば公用車増備の予算も通りやすくなるだろう。
  5. 高齢者にはネット経由の予約は難しいのではないか ⇒⇒ファックスによる自宅からの予約も認めればよいが、まずは検索してそのまま予約できるネット予約から始めるよう提案している。
  6. 広報をしても配本所の利用が増えないのはニーズがないのではないか ⇒⇒丹波市立図書館では予約貸出の割合は貸し出し全体の20%だが、篠山市立図書館では予約貸出は10%にすぎない。この差は在架予約を認めているかどうかによると思われる。貸出中でない本も予約できるようにし居住地で受け取れるようにすれば、必ず利用が増えるはず。

「丹南の遠い所からご苦労さま」

図書館協議会の会議録に書かれている話。

ハートピアセンターで出張図書館を行ったところ、「来場された方からは、『図書館が来ている。丹南の遠い所からご苦労さま』と声をかけていただく事も多く、図書館は遠いと思われていることが実感として伝わってきた。」という。

その遠い図書館になかなか来られない人に本を届けるのが配本所である。もっと利用されるように制度を改善していってもらいたいと願っている。
2019年11月29日の図書館協議会会議録より
(委員)実際行かれたハートピアセンターでの反響はどうであったか。
(事務局)11月3日に配本所のひとつであるハートピアセンターで出張図書館を実施した。当日は多紀地区文化の祭典の会場となっており、子どもから高齢者まで多くの方が来場されていた。出張図書館はロビーの一角を借用して実施したが、演目に出演された方や出番を控えた方など、多くの人が行き来される中で本をゆっくり見ようという人は少なかったが、図書館のPRや各種チラシの配布などを行った。また、事前に多紀地区の有線放送で周知いただいていたので、就学前のお子さんがいる親子連れが3組ほど来られ、絵本を選んで借りていかれたのが印象的であった。他にも絵本の読み聞かせや紙芝居などのおはなし会も予定していたので、次のおはなし会は何時ですかと聞かれたり、ここに図書館が来ると聞いたので借りている本を返して次の本を借りに来ましたと言う方など、出張図書館を目的に来場された方もあり、都度配本所の利用についても説明を行う中で一定の成果はあったと考える。来場された方からは、「図書館が来ている。丹南の遠い所からご苦労さま」と声をかけていただく事も多く、図書館は遠いと思われていることが実感として伝わってきた。そして、来年度についても東部地区の配本所に重点を置いて出張図書館を実施する予定である。具体として、旧大芋小学校を合宿所として活用し、夏休み中に子どもたちを集めてイベントを開催される計画があるようで、大芋地区まちづくり協議会が主体となって進めておられる。イベントの際に出張図書館のことも検討したいとお話をいただいたので、日程的なことも含めて調整していきたいと考えている。